もうすっかり夏の様相。7月も半ばなので当然と言えば当然なのだが、事あるごとに言っているように、ここ数年の時間の経ち方が尋常でなく速い。ちょっと気を抜くと一日はあっという間に過ぎ去ってしまう。
そうか、もうすっかり夏なんだな。夏と言えば、そう、稲川淳二の季節。
最近は一時期のブームが去ってしまった感も無くは無いが、やはり夏になくてはならないのは稲川さんなのである。
この人の怪談は妙に落ち着くのだ。怖いことは怖いのだが、「楽しい夏休み」みたいな感じがするのである。蚊取り線香の匂いと同じで、日本の夏を無意識のうちに感じると言うか・・・。楽しかった夏を思い出させてくれる効果が非常に強い。それは郷愁のようなもの。縁側に座ってスイカを食べながら親戚のおっちゃんの話を聞いている感覚に近い。まぁそんな話をしてくれるおっちゃんはいなかったけれど。
心霊現象を信じない人は多い。まぁそれは自由だ。理屈でどうにでも理由は付けられるのだろう。科学で証明出来ないことは信じるに値しないというのも判る。しかしながら実は、科学で証明出来ていないことの方が多いのが事実。科学とは今ある現象を基に進めただけであって、実際のところ何故それが存在しているのか判っていない方が遥かに多い。そう考えると心霊現象はあっても何ら不思議ではない。
百歩譲って心霊現象がなかったとしても、それは壮大なるロマンだと俺は考える。亡くなった人でも霊魂は滅びずに生きている、なんて嬉しいじゃないか。物理的なものが全てだとするならば、人が生きている意味は生きている間にしかないことになる。これほど悩んで苦しんで、頑張って頑張って頑張っても死んだらそれで全てが終わり、なんていうのは切なすぎる。生きている間に抱えている「心」というものは、ただそれだけのものだったのか。それじゃあまりにも報われなさ過ぎるのではないか。
でもミュージシャンの多くは不思議な体験を数多くしているんじゃないかな。それは金縛りとか人魂とかそういう事ではなく、曲を作っている時に体験するあの不思議な感覚。天から降ってくるというのは間違いなくあるから。まぁそれはミュージシャンに限ったことではないけれど。でもやはりそういう人は、不思議な体験を結構しているようだ。
夏の夜は稲川さんのビデオを観るのが楽しい。それは妙な演出は一切無く、稲川さんが女子大生相手にあの口調で話しているだけのもの。何度観ても怖いものは怖いのだが、それと同時に夏の若々しさと何とも言えない郷愁を感じる。そんな風に俺の夏は始まるのだ。
今年も夏がやって来た。
今年の夏はどんな夏になるのだろうか。
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